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2005年9月24日星期六

李敖大陸行

2000年の台湾総統選挙の候補者だった李敖が現在大陸を訪問しており、中国のメディアが大きく取り上げている。(ネタを期待したい方は写真のところまで読み飛ばしてください)

2000年の台湾総統選挙は陳水扁(民進党)・宋楚瑜(無所属)・連戦(国民党)・許信良(無所属)そして李敖(新党)の5人で争われたが、実質的には陳水扁・宋楚瑜・連戦の3有力候補による争いであった。国民党が宋と連に分裂したことで陳水扁の当選を招き、国民党が初めて総統ポストを手放す歴史的な選挙であった。
この選挙に、李敖は新党なる政党から立候補した。この新党、1993年にできた政党であり、大陸との協調を目指す政党であった。当時は中国国民党が李登輝の下で台湾志向、つまり「台湾は中国の一部」との建前を捨てて台湾の独自性を目指す方向にあり、新党はそれに不満を持った外省人(国共内戦時に大陸から渡ってきた人)の受け皿とされていた。事実結党直後の1994年に行われた台北市長選挙では落選ながらも趙少康が国民党候補を上回る得票を得るなどその役目を果たしていた。しかしながら2000年総統選挙の時点ではこれら外省人の受け皿は宋楚瑜(選挙後親民党を結成)になっており、新党は泡沫化していた。その新党がこの総統選挙で担ぎ出したのが作家である李敖であった。
この2000年総統選挙の結果はこちら。結果の部分をアラビア数字に直して貼り付けておく。

(引用はじめ)
陳水扁・呂秀蓮(民進党)4,977,737票/39.30%
宋楚瑜・張昭雄(無所属) 4,664,932票/36.84%
連 戦・蕭万長(国民党)2,925,513票/23.10%
許信良・朱恵良(無所属)79,429票/0.63%
李 敖・馮滬祥(新 党)16,782票/0.13%
(引用終わり)
台湾の総統選挙は正副総統候補が連名で立候補する。上記は全て前者が総統候補、後者が副総統候補である。選挙中に新党が宋楚瑜支持を打ち出したこともあり、李敖は最下位落選。全くの泡沫候補であった。

李敖自身はかつて台湾における国民党独裁に反対して投獄されたり、台湾独立派を支援したとされて軟禁されたりと、苦難の道を歩んだ作家である。中国語繁体字による紹介はこちら(Wikipedia中文版より)。国民党に反対して投獄されながら結局大陸志向の政党から総統選挙に、とはなかなか波乱万丈である。
中国のメディアが大きく取り上げるということは、彼が中国にとって都合のいい人物と見られているということである。総統選挙でも台湾に対する「一国二制度」を主張するなどした姿勢が大陸受けが良いのであろう。

logical_volume_identifier__00hr_12min_14sec写真は、大陸のテレビではないが鳳凰衛視台という衛星放送のニュースから。李敖の大陸訪問をかなり時間を割いて報道している。



logical_volume_identifier__00hr_12min_47sec今日は北京にある彼の母校を訪問したとかで、そのときのインタビュー映像。やはり鳳凰衛視台のニュースから。
2000年の総統選挙では0.13%しか票を集められなかったのだから、泡沫候補の訪中を大々的に取り上げるとはなんともはや、羽柴誠三秀吉氏や高田がん氏の訪中を大々的に取り上げるようなものだ(わかるかな?)・・・と思ったら、その後無所属で台湾の立法院議員(国会議員)になっているとのこと。

logical_volume_identifier__00hr_00min_25secところで、彼は鳳凰衛視台に「李敖有話説」なるレギュラー番組を持っている。写真は鳳凰衛視台によるその番組の宣伝。番組の内容であるが台湾政治の人物を取り上げて徹底的にこき下ろしたりと、あまりお上品ではない(勿論番組の最後に「出演者の主張は放送局とは関係ありません」とテロップが出る)。鳳凰衛視台がニュースで時間を割いて彼の大陸訪問を取り上げるのも、番組を持っているせいか?鳳凰衛視台にはやはり新党の政治家である趙少康(上述)もレギュラー番組を持っていて、新党関係者に手厚いようだ。
この鳳凰衛視台、日本でも見ることができるようである。ここでも「李敖有話説」が紹介されている。日本でどんな感じで見られているのだろうか?
中国のニュースにおける「重要性」の認識例を感じた一件であった。

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