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2006年7月21日星期五

中台貨物直行便

 昨日のことであるが、春節時の旅客便に続いて初の中台直航貨物フライトが就航した。フジサンケイビジネスアイによる記事はこちら

台湾→上海 初の直行貨物便 陳政権を押しきった「経済」 FujiSankei Business i. 2006/7/21 【台北=長谷川周人】中台を結ぶ初の貨物直行チャーター便となる台湾の中華航空ボーイング機が20日未明、上海浦東空港に到着した。直行便の運航拡大で合意した6月中旬の当局間決定を受けたもので、第1便は半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が上海工場に搬入する半導体製造設備を積載した。陳水扁政権は対中強硬路線で自らの存在を誇示するが、これを企業ニーズが押し切る形で中台経済の緊密化が進んだ形だ。
 同機は台北国際空港を離陸後、ひとまず南西に飛んで香港の航空管制空域を経由して北上。同日午前1時(日本時間同2時)に上海浦東空港に到着した。
 台北~上海間は最短ルートなら約1時間20分の距離だが、台湾当局は中台「完全直行」を認めておらず、安全保障上の理由に加え、「第三地」を経由して「国際路線」と位置付ける必要があった。同機の飛行時間は約3時間だった。
 すでに3万社が対中進出している台湾企業にとって、中台直行便なら時間とコストの軽減ができる上、貨物便も離着陸時の振動による部品の破損リスクの軽減が可能となる。IT(情報技術)関連など、単位重量や単位体積あたりの付加価値が高い製品を扱う企業にとっては、中台直行貨物便のメリットは大きい。
 対外投資で中国が占める割合が7割を超えた台湾企業は、ハイテク部品を台湾で製造し、組み立てを中国に移転する分業制が主流だ。部品や生産整備の輸送ルートの確保は、対中投資案件の成否を左右する要となる。
 これに対し陳政権は対中引き締め政策を打ち出しながらも支持率低迷の中、産業界の要望にすり寄る格好で徐々に規制を緩和。認可制の直行貨物便のほか旅客便の直行拡大に踏み切ったが、政権内部には「台湾の利益を考えた主体的決定との建前だが、企業関係者など世論的には信頼回復を狙ったなし崩し的妥協と映る」(民進党関係者)との厳しい批判もある。

 地図を見ればわかるのだが、台北から香港上空を経由して上海へというルート、台北を飛び立った後で台北~上海間の距離に匹敵する距離を逆方向に飛び、香港で折り返して上海へ飛ぶ、というかなり遠回りの航路になる。実際に今年5月に上海から香港経由で台湾へ行ったが、まっすぐ飛べば上海~福岡間ぐらいの距離と疲労度で済むはずなのだが直線距離以上の長旅を強いられてしまった。
 「『第三地』を経由して『国際路線』と位置付ける必要があった」とのことだが、「別の国」と主張するのであれば直航しても「国際路線」になるのだから何でだろう、と思ったが、直航すると中国側に「国内航路」と主張される余地があるから、中国-香港-台湾と中国側から見ても「国際航路」(厳密には香港は「中国本土とは別経済地域」なのだが)になるように仕上げなければならない、ということに気付いた。自分の主張のためではなく「相手に主張させない」ということか。
 わが師匠はよく「近づく経済、遠ざかる政治」という言い回しをよく使っていた。こうした「三通」ものは「近づく経済」と「遠ざかる政治」との綱引きでその去就が決まるのだが、やはり「近づく経済」には抗えなかった、ということであろう。もっとも、今回の場合は「遠ざかる政治」ではなく陳水扁の「遠ざける政治」の目論見が叶わなかった、ということであり、「遠ざかる政治」や「遠ざかるアイデンティティ」とは違うと思う。

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