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2006年12月23日星期六

和諧社会

Img_2762 上海の街を歩いていると、至るところで「和谐社会」だとか「构建和谐社会」という文言が入ったスローガンを目にする。
 この「和谐社会」(和諧社会) という言葉、「調和の取れた社会」と訳されることが多い。NHK-BSで中国のテレビニュースの同時通訳でよくこの言葉が出てくるが、そのほかの日本のテレビニュースでは触れられているのだろうか。
 現代の中国はトウ小平の「先に豊かになれるものから豊かになれ」とする先富論を体現した状況になっている。文化大革命期までの平均主義から離れ、豊かになれるものは先に豊かになり、その後中国全体が豊かになれば良い、という考え方である。この結果、上海や長江デルタ地帯・広東省など沿海部は急速な経済発展を遂げ、市民の生活も豊かになっているのはご存知の通りであるし、他方、西部や内陸部、とりわけ主要都市から離れた農村部にはいまだに立ち遅れている地域が多く、「先に豊かになったもの」からの恩恵が行き渡っていない状況にあるといえる。上海市内を取ってみても、経済発展を象徴する高層ビル群の建築は内陸部からの出稼ぎが多数を占める「民工」が支えているわけだし、ある意味で上海は「社会格差」の上に現在の地位を築いたといえる。
 こうした状況が社会不安、ひいては共産党への不信に繋がりかねないとして胡錦濤政権は社会の格差是正、内陸部の水準の引き上げに取り組み、以て社会不安や共産党不信を押さえないといけない。また、急速に発展を遂げた地域の経済が余計な歪みを生むようなことがないようにもしないといけないし、バブルが弾けるようなことも避けて経済過熱の状況を軟着陸させる必要もある。
 これら諸々への取り組み、とりわけ社会の格差是正を目指すスローガンとしてこの「和諧社会」という言葉が使われている。「构建和谐社会」は「調和の取れた社会を作ろう」ということである。

 少し前の話だが、今年10月に開かれた中国共産党第16期中央委員会第6回全体会議(6中全会)でも「和諧社会の建設」を前面に出されている。NIKKEI NET記事より。

(10/12)中国共産党、格差の是正全面に――6中全会閉幕  

【北京=桃井裕理】中国共産党の第16期中央委員会第6回全体会議(6中全会)は11日、胡錦濤国家主席が提唱する「和諧社会(調和のとれた社会)の建設」に関する文書を採択して閉幕した。格差拡大の傾向を2020年までに是正する目標を掲げ、バランスを重視する「胡錦濤色」を前面に打ち出した。
 採択した文書の全文は発表されていないが、基本的な内容は新華社を通じて発表した6中全会に関するコミュニケに盛り込んだ。コミュニケは和諧社会建設に向けた2020年までの目標と任務として第一に「民主と法制の改善」を掲げた。
 社会の調和の「基本条件」として「公正と正義」を強調。当面の対策の一つとしても「法律、司法メカニズムの改善」を打ち出した。違法な土地収用や環境アセスメントを無視した工場建設、幹部の腐敗まん延などに対する国民の反発が高まっているのを踏まえ、法治の確立を重視する姿勢を示した。
 経済政策の面では、地域間の格差の是正や合理的な所得配分制度づくりを目指すとした。雇用の確保や社会保障システムの整備にも力を入れる。胡主席はチベット自治区や貴州省など発展の遅れた地方で長らく勤務した指導者で、社会的な弱者への配慮を鮮明にして独自色をアピールした。

 この「和諧社会」という言葉、本当に頻繁に街の中で目に入ってくるし、テレビのニュースでも毎日のように耳にする。何でもかんでも「和諧社会」で通ってしまい、最近の決まり文句のようである。

Img_3093  写真は地下鉄の駅にて。「参与禁毒斗争, 构建和谐社会」(麻薬禁止運動〔麻薬禁止闘争?〕に参加し、調和の取れた社会を築こう)というスローガン。いや、格差があっても麻薬はイカンと思うのだが・・・「格差のある社会が麻薬取引の温床になっている」ということを言いたいのだろうが、何でもかんでも「和諧社会」をつけ過ぎではないのか?

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