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2007年1月26日星期五

兌換券

20070118002 先週の日本滞在時に、成田空港内の銀行で見かけた両替の表示。人民元の両替も可能であることを示す黄色い看板の下に「元以外の紙幣(角・分・兌換券)・コインは取り扱っておりません」との記載がある。兌換券については以前書いたことがあったが今一度。
 今中国におられる方でも兌換券と聞いても何のことかと思われる方もおられることだろう。1990年代中盤より前の中国では外貨管理を徹底しており、中国国内で流通している人民元と外貨との両替を認めていなかった。他方、外国人が中国に来て中国でお金を使うべく両替しようとすると、「兌換券」という人民元とは異なる紙幣を渡されていた。この兌換券のみが外貨への再両替が可能とされていた。両替した兌換券は中国で消費される一方だから、外国人は出国時には両替した以上の外貨を再度手にすることはなく、外貨は中国に蓄積されることになる。つまり中国は外貨を獲得した、ということである。私も90年代前半に中国を旅行した際に、両替して手に入れられるのは兌換券であった。
 従って外国人は兌換券を持ち、中国人は人民元をもっているのが本来の姿である。しかしながら、外国人が人民元を持ったり、中国人が兌換券を持ったりすることにもメリットがあるのである。まず外国人にとってであるが、当時は鉄道料金・航空運賃・観光地の入場料などが外国人料金と中国人料金の二本立てになっており、外国人は高い料金を払わされていた。これら支払いは兌換券で支払うとまず外国人であると見られて外国人料金が適用になるのだが、旅費を安くあげるべく中国人料金が適用されるよう求める人たちもおり、彼らが人民元を欲しがっていたのである。人民元で払って中国人料金にしよう、ということである。
 他方、中国人にとっては兌換券でしか買い物ができない外貨ショップ-当時は中国各地の「友諠商店」と名のつくところがそうであったが-にも兌換券を持つことで買い物をすることができ、他では手に入らない外国製品を入手することが出来たのである。
 このようにお互いにメリットがあるため、兌換券と人民元の闇両替は頻繁に行われていた。「闇」と書いている通りこれは当時違法であり、人民元から外貨への再両替はできないのみならず人民元と兌換券の両替自体が摘発の対象であった。
 また、当時は地方へ行くと兌換券の存在やデザインを知らない人もいて、餃子屋など小さな食堂で兌換券を出すと「これは偽札だろう」といわれて突き返されるケースもあった。
 この兌換券であるが、次第に外貨管理手段として別の紙幣を持つ意味が薄れたのか、1995年に廃止され以後は人民元と外貨の直接交換が可能になり、外国人も両替時に人民元を手にすることになったのである。

 それから12年、いまだに兌換券を持っている人は昔の記念にもっている人くらいであろうから、写真の看板のように今更兌換券を両替したいという人は出てこないだろう。

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