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2007年4月5日星期四

また『中国時報』斜め読み

 また喫茶店で読んだ台湾の新聞『中国時報』から気になる記事を。
 まず昨日(4月4日)の同紙に、日本のフジテレビが持つ台湾テレビ(台視)の株式売却に対して圧力をかけたとかで、行政院の鄭文燦・新聞局長が辞任させられたとのこと。
 内容を時事通信の配信から引用。Yahoo!ニュースによる記事はこちら

 【台北3日時事】台湾行政院(内閣)の鄭文燦新聞局長(閣僚)が3日、辞任した。鄭氏は日本のフジテレビが所有する台湾テレビの株式売却に介入したとして野党から批判されており、2日に辞表を提出していた。

 これだけだとよくわからないが、その『中国時報』では新聞局長が台湾の老舗地上波テレビ局である「台視」とやはり台湾の新聞である『自由時報』の関係者とフジテレビの人を招いた会食の席を設け、フジテレビが所有する「台視」の株式を『自由時報』に売却するよう「意見した」とのことであった。この会食に出たフジテレビの長谷川氏という人が記者会見を行って告発し、新聞局長もこの会食の存在を認めざるを得ず辞職に至ったということである。
 台湾のラジオ局、中央広播電台Radio taiwan Internationalのウェブサイトにある記事だとわかりやすいか。

台湾テレビの株式譲渡問題、波紋広がる

台湾の地上波テレビ局四局の一つである、台湾テレビの株式譲渡問題で頼国洲・前会長が更迭されたが台湾で大きな波紋を呼んでいる。台湾テレビの日本側の株主である富士テレビを代表して台湾テレビと交渉した長谷川澄男氏は25日、記者会見を開き、鄭文燦・新聞局張と陳瑞隆・経済部長ら中華民国の政府要人がメディアの株式の譲渡に関与したことと、両氏が富士テレビ局に対してその持ち株を民進党よりとされる、大手日刊紙『自由時報』に譲渡するよう要求したことを批判した。
新聞局の鄭文燦・局長は26日、このことについて声明を発表し、当時の状況を説明した。鄭・新聞局長によると、日本側の代表が台湾に来たとき、資本の撤収に同意しなかった。その後、頼国洲・前董事長が日本に行って日本側の関係者と交渉した結果、日本側の株式を買収することになった。日本側の株式は頼国洲・前董事長に譲渡されたもので、大手日刊紙『自由時報』の代表者は日本側の株式を購入する意欲を示していなかったという。鄭文燦・新聞局長は、中華民国政府は行政手段を使ってこの株式譲渡案に影響を与え、またはそれを干渉しようとすることはないと強調した。

 「新聞局張」は原文のまま。 さらに辞任を報じる記事

鄭文燦・新聞局長、台湾テレビ株式売却案で引責辞任

蘇貞昌・行政院長が3日、日本のフジテレビジョングループが所有する台湾テレビの株式売却問題に関与しているとされる、行政院新聞局の鄭文燦・局長の辞表を批准した。中華民国政府が進めるメディアと、政府・政党・軍の分離政策の一環で、台湾テレビの外国人株主であるフジテレビジョングループは株式の売却を求められている。フジテレビ側では3月25日に台湾で記者会見を開き、今年1月17日に鄭文燦・局長の招待で食事した際、台湾テレビの株式を、同席した大手日刊紙『自由時報』に売却するよう求められたと明らかにした。鄭・局長はそれは事実と異なっているとし、あくまで中立の立場を主張したが、混乱を招いた責任を取って辞意を表明した。これに対し、蘇貞昌・行政院長は3日、鄭・局長は株式の売却に干渉していないが、食事招待のタイミングは適切ではなく、これ以上の争いを避けるために辞任に同意したと述べた。

 『自由時報』が民進党寄りとされており、そこへの株式売却を民進党内閣の人が求めている、というのが他の報道機関による批判の対象となっているようである。そういえば、上海では『自由時報』はあまりというか殆ど見かけない。
 そうは言いながら90年代までの台湾は国民党による「党営企業」「国営企業」が跋扈しており、地上波テレビのうち「中視」(中国電視公司)は国民党営だったし(今は違う)、「台視」(台湾電視公司)は台湾省政府と日本企業の共同出資、「華視」(中華電視公司)は中華民国政府とのつながりが強いとされていた。地上波では「民視」(民間全民電視公司)のみが民間出自のテレビ局である。東京外国語大学の小笠原欣幸先生によると2000年の総統選挙で国民党陣営が旧党営・公営の前3局を使ってネガティブ・キャンペーンを行ったとのことで(小笠原先生のウェブサイトにある記事)、来年に総統選挙を控えてテレビ局に政党の色がつくというのは相手にとって許し難いことであり、スキャンダルになるのだろう。
 それにしても「台視」に関するWikipedia記事(例によって中国からはそのままでは見られない)によるとかなりの日本企業が今でも出資しているのですね。あと、「堀A夢」も世が世なら台湾のメディアにも投資、ということになったかもしれないわけか。

 もう1つ、かなり毛色の違う話。3月27日付同紙の台北面に、インターネット上で嘘の身の上話と他人の写真で他人からお金を騙し取ったとして25歳の女性が逮捕されたという記事が目を引いた。
 この女性、ネットゲームで知り合った人に「両親はアメリカで交通事故で死に、私は台湾に帰って来たが親戚も相手にしてくれない」などと言葉巧みにMSNチャットで誘いをかけ、その際に自分のではない美人の顔写真を使って相手を騙していたとのことである。
 記事中では体型や容姿についても随分な言われ方をされていたが、それのみならずネットばかりやっている様子を「平日無所過事, 除了吃飯睡覺外, 都在租住處上網自娛, 是一名標準的『宅女』」と書かれていた。また相手を騙す様も「剪貼網路上的美女的照片, (中略)給交了許多『宅男』網友」と記されていた。
 「宅女」「宅男」などどいう中国語、学校では習うまい。というか一般に使われているのか?「宅」の持つニュアンスや由来を台湾の人はわかっているのかな。
 この女、文書偽造や詐欺・窃盗の前科があるとかで、コンプレックスもあっただろうが改心せずやってしまったのだろう。

 台湾の新聞を読んでいると、また台湾に行きたくなってきたが、さて。

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