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2007年5月22日星期二

中国・台湾 高速鉄道乗り比べ

 今回の台湾滞在中、今年1月に開業した台湾高速鉄道に乗って台北から高雄へ行く機会があった。
 他方、4月には台湾高速鉄道同様に日本の新幹線がベースになっている中国の高速列車「子弾頭」(弾丸列車、の意)にも乗った。短い間に中国・台湾双方の「新幹線」に乗ることができたので、その比較を。
 まずは中国側から。

【子弹头】(子弾頭)

 中国の高速列車「子弾頭」は、日本の東北・長野新幹線で使われている列車がベースになっている。日本の川崎重工業の車輌を導入したのだが、日本から輸入したのはそのうち少数で、残りは中国の工場でライセンス生産されたものだそうだ。この点をもとに、中国では「日本の技術導入」という点はアピールされておらず、むしろ「中国の技術により実現された高速鉄道」ということがアピールされている。何だかなぁ。
Img_0481 Img_0482  この子弾頭、2007年1月から営業運転を開始したが当初は従来からあった特快(特急)の代替だったのでスピードもそれなりに抑えられていた。2007年4月のダイヤ改正で全国の鉄道のスピードアップが行われたとされているが、その際に今までの特快・快速・普快などに加えて新しく「动车组」(動車組)という列車区分ができ、それらにはそのピンインDongchezuの頭文字である「D」で始まる列車番号が付けられている。写真はスピードアップを謳ったダイヤ改正の広告。
 上海~南京を、ノンストップの動車組は2時間弱で結ぶ。特快もスピードアップしたようだがそれでも2時間50分かかる。
Img_0483  今回は蘇州→上海の乗車。もっとも、対面に停まった子弾頭の写真ばかり撮っていて肝心の自分が乗った列車の写真はあまりない。写真は蘇州駅にて、上海から蘇州に来てこれから南京方面に向かおうかという子弾頭。

Img_0485  列車に付けられた愛称は「和詣号」。中国で最近よく見聞きするスローガン「和詣社会」=「調和の取れた社会」といわれるときのあの「和詣」である。いかにもというネーミングである。


Img_0487 子弾頭の運行開始にあわせて、プラットフォームの高さを高くしている。もっとも、今まででも列車とホームの間には段差があったのだが。


Img_0490  二等車(普通車)の車内の様子。日本の新幹線と殆ど同じである。乗り心地も快適であった。



Img_0488  座席の前に格納されているテーブルの裏に車内案内がある。




Img_0492  従来の鉄道では「軟座」「硬座」という区分であったが、新しくできた「動車組」では「一等座車」「二等座車」という区分になっている。車輌の側面に記載されている表示も、今までは「硬座车YINGZUOCHE」などと外国人が見てもわからんだろという表示だったのだが、この動車組では側面に「二等座车 Second Class Coach」と記載されている。
 運賃であるが、時刻表を見ると上海~南京の動車組の2等料金が97元、同じ区間の特快の軟座料金が79元である。今回は蘇州→上海の乗車であったが、動車組の2等料金と特快の軟座料金は略等しかった記憶がある。気をつけたいのは、今回2等に乗った際の蘇州駅での待合室は硬座の扱いだった(軟座待合室には入れてもらえなかった)ので、待合室は硬座扱いになる可能性が大きい。待合室が汚かったり物騒だったりする駅から乗るときは注意したほうがいいだろう。
 これに1回乗ると、もう「普快の硬座には戻れない」という感じである。今までの特快と比べても乗り心地は優れていると思う。

 続いて台湾側を。

【台灣高速鐵道】(台湾高速鉄道)


 台湾高速鉄道は2007年1月に台北郊外の板橋から高雄郊外の左営までで営業開始。その後3月に台北駅の使用が開始されている。「高鐵」(高鉄)の略称が使われている。
 従来の特急「自強号」で台北~高雄間は4時間かかっているが、台湾高速鉄道は台北~左営間を最短1時間40分で結んでいる。こちらは東海道・山陽新幹線に使われている列車の技術導入とのことで、中国側がJR東日本、台湾側はJR東海の車輌がベースになっているというのも面白い。

 台湾高速鉄道のウェブサイトはこちら日本語のページもある。

Img_0773Img_0775 切符は駅で購入するほかに電話予約が可能。この電話予約だが身分証明書番号(外国人の場合はパスポート番号)を告げ、駅の自動券売機でその番号の下4桁と予約番号を入力して切符を購入するという仕組みなので、外国からも電話予約が可能である。ただ、今回台北→左営間を電話予約で申し込んだが、中国語を選択したがなかなか繋がらず、繋がっても10分待たされてようやくオペレーターに繋がったのでパフォーマンスは今ひとつである。近々インターネット予約も始めるそうなのでそちらに期待したい。
 台北→左営間の運賃はNT$1,490だったのだが、NT$2,000を入れたところ釣り銭がNT$50硬貨10枚で出てきたのには驚いた。この運賃、在来線の特急「自強号」の2倍弱、バスの約3倍である。

Img_0781  乗車当日、台北駅にて。乗り場は在来線の隣で、ホームも在来線に平行している。



Img_0783 Img_0785  駅のホームにて。まだ目新しいのか写真を撮ろうという人が多い。
 ドアの横には、この列車が開通時の1番列車に使われた旨を示すマークが付いている。
 当たり前だが、「三民主義号」などというスローガン性の高い名前は付いていない。

Img_0787  普通車の様子。乗り心地も含め、中国の「子弾頭」と大差ない。
 列車は台北を出ると板橋・桃園・新竹・台中・嘉義・台南を経て左営へと向かう。各駅に停まる列車だと台北~左営間は2時間10分、板橋・台中のみに停まる列車だと1時間40分。
 台北出発時には90%以上の乗車率だったが、気が付いたのは短距離でも高速鉄道を利用している人が結構多く、客の入れ替わりが多いことであった。高速鉄道の駅は在来線から離れているのだが、場所によってはそれでも、更に高い運賃を払ってでもということか。

Img_0807  写真は台南駅付近の車窓だが、上述の通り高速鉄道の駅は在来線の駅から離れているところが多く、駅前はまだまだ更地のままのところが多い。これから駅を基点に建物が並ぶのだろうか。


Img_0788 Img_0789Img_0794 Img_0795  興味を引かれたのはこの一連の広告。「高鐵前」「高鐵後」と2つの写真を並べたシリーズの宣伝である。「高鐵後」のほうが常にHappyということか。しかし、「高鐵前」にはベランダで風呂につかっていたのか。

Img_0799  左営駅。太陽光を取り入れる造りになっている駅である。




Img_0803

 帰りも高速鉄道で台北へ。この日は朝台北を出て昼前に高雄に着き、同学と昼食を食べて暫し歓談してまた台北へ戻る、という行程であった。本当に便利になったし、台北~高雄間は飛行機を使わずとも完全に日帰り圏になった。これで高速鉄道の駅から各地にバスが出れば周りの街も日帰り圏に入るだろう。こうなると、台湾東部の交通の便の向上が課題になろう。

 ところで、中国の「子弾頭」であるが、備品を持ち去る輩が多く、車内が早くも傷んでいるのだとか。Record Chinaによる記事

 2007年5月17日、鉄道高速化計画の目玉として登場した弾丸列車が走行を開始して1か月、定期点検のため河南省鄭州市の鉄道局検査場に戻ってきた。約100人の技術者が車体を検査したところ、無残なほどボロボロにされていることがわかった。 ボロボロになった原因は乗客による備品の持ち去り。被害が最も多かったのは手洗い場のセンサー式蛇口。多数取り外されてなくなっていた。さらに緊急脱出用のハンマー。また密室であるトイレも被害が大きかった。便座の温度調節つまみやペーパーホルダーの軸さえ取りはずされ消え失せている実態には、ただもうむなしさが募るばかりだと技術者たちはこぼす。 鳴り物入りで走り出した夢の高速列車だが、わずか1か月で満身創痍になって戻ってくるとはおそらく想定外だったはずだ。同局は今後、備品持ち去り禁止を表示するのか、乗客の資質向上を待つのか、判断を迫られることだろう。

 運賃は高いのだが、それでも乗客のモラルは・・・というところか。

 一方の台湾高速鉄道、全くの余談だが、「高鐵」と書いてあると(「鐵」が繁体字なのがツボ)後ろに「山」を付けたくなるのはある世代以上の相撲ファンだけか。最近相撲界も何かと騒がしいようだが…と、また「わかる人にしかわからない」ことを書いてしまった。

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