« 水煮魚 | Main | 日本に戻って3週間 »

2007年7月7日星期六

「上海からの雑文」

 何かと慌しく帰国前の日々を過ごし、また6月末で住んでいた部屋のADSL契約を打ち切ったこともあり、ブログを更新しないまま帰国日を迎えた。今日、2007年7月7日に上海を離れ、日本に帰国する。

 上海に来る前、日本でとある勉強会に参加させていただき、台湾事情について文章を書いていたことがあった。ある時その勉強会に遅れてこられた方が私のレジュメを貰おうとして「今月の雑文は?」と仰った。
 「雑文」、『中日辞典』で引くと「雑文.漫筆.エッセイ.」とある。意味はさておき、このブログはここまで中国なり上海なり台湾なりのことに特化して、見たこと聞いたこと考えたことをここまで書いてきた。
 他方この「雑文」、中国では「雑文」の名前で書かれた文章が反右派闘争期や文革期に批判の対象とされてきたことがあった。書いた本人はそのつもりはなくても、権力側が何かと因縁をつけてまたある時には過去の文章を掘り返してでも批判し、筆者を吊し上げる、という具合である。恥ずかしながらどんな「雑文」を学生時代に読んだのか覚えていないが、現代中国を学んでいるとこの「雑文」という言葉によく接する。
 上海でブログを書き始めるに際し、知識人のようには書けないがこの「雑文」という言葉をブログのタイトルの中に入れることにした。
 そして、実際にブログを書いていてよく接したのが中国当局によるウェブサイトへのアクセス禁止措置である。ブログでも特定のプロバイダーのブログがアクセス禁止になっていたりするし、ココログも一時アクセスできないことがあった。大袈裟に言うとこれこそが現代版「雑文に対する当局の批判」ということになるのだろうか。

 上海に住む前、上海には学生時代に1回旅行で来たことがあるだけだった。北京のほうがあちこち見どころがあるような気がしたし、その後も中国を旅行する際には常に北京経由にしていた。上海は今の中国の発展を象徴する都市でこそあるが、街自体にはあまり面白みがないのでは、と思っていた。
 しかし実際に住んでみると、ここまでブログが続いた通り心惹かれる場所や考えさせられる光景を街のあちこちに見ることができ、今回日本に帰国するに際しても「もう少しいたかった」と思わせるような街であった。もっともこれは街並みばかりではなく、出身や関係を問わず上海で出会った人たちのおかげ、ということも大きいのだと思う。
 「住めば都」ではないが、街の変化を目の当たりにしあるいは細い路地の奥まで目が行ったりというのは、やはりその街に腰を落ち着けて住んでこそできることなのでは、と思う。上海の全てを目にすることができたわけではないが、その中でも上海の街の気に入ったところを心に留めることができたと思う。いいことばかりではなく反日デモに出くわすなどということもあったが、それはそれで上海に身を置いてこそ現代中国の一大トピックの現場に遭遇したものだ、と思いたい。
 上海に来る前はどちらかというと台湾のほうに目が向いていたし台湾によく足を運んでいたのだが、折角上海に3年住んだのだからこれを縁に今後は中国・台湾の両方に注意を払って見ていくことにしたいし、機会があればまた上海にも来てみて、住んでいた頃のような感じ方は難しいだろうがまた歩き回って上海の空気に触れてみたいものである。

|

« 水煮魚 | Main | 日本に戻って3週間 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73410/15680138

Listed below are links to weblogs that reference 「上海からの雑文」:

« 水煮魚 | Main | 日本に戻って3週間 »