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2008年2月10日星期日

その街を好きになること

 日付では昨日になってしまうが、夜TBSの『情熱大陸』においてスペインのリーガ・エスパニョーラ2部でプレーするサッカー選手・福田健二選手を取り上げていた。
 去年スペインを旅行したときに彼が出た試合を見た。そのとき彼はヌマンシアに所属しており、年間10ゴールを決めその年に地元メディアが選ぶチーム最優秀選手に選ばれた。私が見た試合でもゴールを決めていた。よく報道される日本人選手の海外移籍に隠れてこそいるがいつも自らの実力で契約を勝ち取り、今シーズンはカナリア諸島のUDラス・パルマスに移籍したが、怪我もあり思うような結果が出せていないようだ。番組では結果を出せないことに対する周囲の厳しさと本人が感じているもどかしさを主に取り上げているようであった。
  番組でも少し触れられていた幼少期の生い立ち、そして彼に遺された「好きなサッカーで/世界に胸を張れる/選手になって下さい」という3行の言葉についてはNumberで取り上げられ(ここで見ることができる)、またそれにヌマンシア在籍時の生き方を主に家族とともにスペインを渡り歩く様子を書き加えた本が最近出ている。

 そんな福田選手が2年前(前々所属チーム・カステリョンを退団した頃)に応じたインタビューがある(1)(2)(3)。その中で「日本人選手が海外で活躍するために必要なこと」という問いに対して彼はこう答えている。

「そこの街を好きになることでしょうね。例えば、その街の1つの建物を見て、良い建物だなと思えばそう見えてくると思うんです。1つを悲観的に見てしまうと、そこからすべてを悲観するようなことにもなりかねない。その街の人や文化を含めて好きになることが必要なんだと思います」

 海外に限らずまたサッカーに限らず、我々はある街に身を置きつつ仕事なり学問なりと生活を営むわけである。リタイアした人だとより街を意識することが多いかもしれない。
 他方、仕事でうまくいかないこともあろう。今の福田選手もそうした感覚を持っているかもしれない。また転勤などの際に、その街に身を置くこと自体が本位ではない、と感じる人もいるだろう。
 良いことも悪いこともある、愉快なときもそうでないときもある日常において、周りの暗部に目を向けるのか良いところに目を向けるのかでは心の持ち方が明らかに違ってくる。うまくいかないときに酒を飲みながら愚痴るだけで終わるのか(前も書いたかもしれないが、前任地の日本飯屋ではそういう人を少なからず見かけた)あるいは気に入った風景を見つけて気分を新たに挑むのとではその後の結果も違ってくるだろうし、日々の心の持ち方も違ってくるだろう。

 前述の『情熱大陸』ではむしろサッカー一筋という取り上げられ方をしていた福田選手だが、そんな彼が活躍するために必要なこととして「その街を好きになること」としているのは含蓄に富んだことだと思う。「その街を好きになる」というのは、そこにずっと住み続ける場合だけのことではないのだ。

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Comments

「その街を好きになること」、福田選手の身をもって体験した中から出た言葉、本当に深いですね。

「その街を好きになる」というのは、そこにずっと住み続ける場合だけのことではないのだ…貴兄のこの言葉も本当、そうだと思います。短い旅行先でも、いい所を見つけて興味をもってみると、見方が違ってきますからね。


Posted by: Guinness | 2008年2月11日星期一 at 上午2:32

Guinnessさん、こんにちは。
シーズン中に結果を出さないと戦力外通告が待っているサッカー選手から、活躍するために必要なことは「そこの街を好きになること」が大事だという言葉が出てきたのが意外かつ新鮮に感じたので、いつかこのことを書こうと思っていました。
わが身を振り返ると、上海もよかったですが今住んでいる都内某所もいいところがありますよ。

Posted by: はぎお@貴ノ浪世代 | 2008年2月11日星期一 at 下午9:21

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