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八月 2009

2009年8月21日星期五

『Where the Hell is Matt?』

 あることを調べようとしてネットサーフィン(死語?)をしていたら、『Where the Hell is Matt?』という動画を見つけた。

Where the Hell WAS Matt?
Where the Hell is Matt?
Where the Hell WAS Matt? (2008)

 その名の通り『Where the Hell is Matt?』という名前のウェブサイトがあり、そこにこの動画の由来が書いてある。ゲームソフト会社に勤めていたMattという男性が、ある日思い立って会社を辞めて世界を旅行し、その際に自分が踊っている動画で自分がどこにいるか知らせる、ということをしていたようで、それを編集したのが一番最初の動画なようだ。この動画がアメリカのチューインガムの会社の目に留まり、その会社がスポンサーになってさらに世界各地を旅してやはりその行き先で踊っている動画を撮ったようだ。
 最初の2つはMatt本人が踊っているだけであるが、『~2008』ではその土地の人もMattと一緒に踊っていて、観ていて楽しい気分にさせてくれる。背後に流れる音楽もそれぞれに由来があるようだが良い雰囲気を出している。Mattは日本にも来ているようで、第2弾ではおそらく渋谷の交差点、第3弾ではおそらく新宿か代々木か?となぜかメイドカフェの2箇所で踊っている。第3弾の台北では1人で踊っていたのはちょっと寂しかったが、板門店で1人で踊っているのは逆にその大胆さに感心してしまう。
 世界の各地には(悩みもあるだろうが)楽しみを持ちつつ暮らしている人がいて、彼らがMattと一緒に踊り、Mattを迎えてくれている。私自身は旅に出てもそこでは踊らないだろうし、Mattのように長く旅をすることはないだろうが、あちこち訪れるときは改めてその土地で楽しみを持ちつつ暮らしている人に敬意を表してその街を見渡したいものである。

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2009年8月15日星期六

『あの戦争から遠く離れて』


 中国残留孤児を父に持つ筆者による、父親の激動の半生を中心としたノンフィクション『あの戦争から遠く離れて』を読んだ。
 日中戦争で両親と生き別れになり中国で「孫玉福」として育てられた父親の養母や友人などとの交流、「日本人」であることを意識するが故にまた反右派闘争期や文革期といった時代背景ゆえの苦悩や苦労が前半に描かれ、中国残留孤児の問題がクローズアップされる前に日本への帰国を果たした彼の娘として生まれた筆者が「知っておくべきことがたくさんあるのでは」と感じて長春に留学し、中国での父の親戚との出会いや学校の内外で「日本鬼子」呼ばわりされる経験を経て、父が生きた中国にいろいろと思いを巡らすさまが後半に書かれている。
 父がかつて一緒に暮らした親戚や親友を娘である筆者が訪ねると、帰国後かなり時間が経っているにもかかわらず皆一様に「玉福の娘」として迎えてくれ、父の昔のことを話してくれる。父親の人生と筆者の人生が、父親の足跡をたどり親戚や友人の話を聞くことを通じて1つにつながっていくようである。また、この本には「私につながる歴史をたどる旅」という副題がついているが、父の生き方をたどり話を聞くことで日中戦争や文化大革命、残留孤児の問題といった歴史上の事象(残留孤児の問題は今日的出来事であるが)を「私にまつわるできごと」として吸収している様子がうかがえる。

 筆者は文中で、「戦争を禁忌としてきた『戦後』は、ひたすら戦争を忘れようとする『戦後』でもあったのではないだろうか。そして戦後六十数年を経て、今や私たちは『忘れてしまった』ことすらも忘れつつある世界を眼の前にしているようだ。」と述べている。
 私が子どもの頃、原爆の日や8月15日には追悼を示す消防署のサイレンが鳴っていたが、今住んでいるところではそれを聞くことはない。かつてはこの時期になるとこうしたサイレンやテレビ番組で戦争や戦後すぐの時期を意識させられたが、最近はそうしたものが薄れてきているような気がする。
 先に触れた台湾での「日本語世代」同様、「あの戦争」を知っている、語ることのできる人も少なくなってきている。私が小学生の頃には「親や親戚から戦争の経験談を聞いてきなさい」という宿題が出て、多くの子どもが親から話を聞きだすことができたしそうでなくても授業でお互いが集めた話を聞くことで「あの戦争」を少しは「我がこと」として感じることができた。今ではそうした話を小学生が聞きだすのは昔より難しくなっているだろうし、これから「あの戦争」に対する距離感や感じ方は変わっていくのだろう。

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