繋がらないURLと検閲ワードで作った中国地図
同学から教えていただいたのだが、最近中国から、少なくとも上海からココログを見ることができなくなっているようだ。私が上海にいた頃は繋がらないブログといえばseesaaブログはずっと見ることができなかったが、そんな中でたまにココログも見ることができないことがあり、拙ブログでもそのことを書いたことがある。もっとも、「裏技」を使って「見られない」状態は回避していたのだが…教えていただいた同学、謝謝。
そんな中、『Information is Beautiful』というウェブサイトに、中国で検閲対象になっている単語と中国から接続できないURLを並べて作られた中国地図が出ている。下記リンク先にその地図があるのだが、赤い文字で形作られた中国国土はNGワードで、その周りにアクセス制限がかかっているURLが灰色の文字で並んでいる。
『Information is Beautiful』→「WHAT DOES CHINA CENSOR ONLINE?」
大陸部分を形作るNGワードの中には、「人権」「拷問」「独裁」「民主化運動」といった単語のほかに、「鳥葬」など特定の地域を連想させる単語や別の地域が中国から離れようとすることを示す単語、「6月4日」「89」などある事件を連想させるキーワードやその事件そのものなどが並ぶ。「中ロ国境」とかは今でもダメなのだろうか。あと「中国の学生と学者」という言葉もNGなようだ。外側のURLにはBBC・CNN・LE MONDE・ZDNといった報道系のウェブサイト、ebayやamazonなどの商業サイト、2ちゃんねるやYouTubeなど自由に投稿できるウェブサイトなどが並ぶ。報道系ではESPNやMARCA(スペインサッカーのサイト)も地図にURLを連ねているのが意外である。日本では朝日新聞やYahoo!JapanがやはりURLを連ねている。NGワードはいかにもという感じだが、URLのほうはそうだったかな、というものもある。amazonは本を買うのに使っていたし。拙ブログはこの地図に名を連ねることはなかろうが、自由に意見を書いてそれを世の中に発することができるブログはどこかしらが検閲に引っかかるだろう。もっとも、一部の「中国にとって望ましくないブログ」のおかげで他のブログまで見ることができないのはどうかと思うし、そもそも「望ましくないブログ」を遮断することは議論なり市民の評価なりを放棄して強引に遮断していると言えようが・・・
今は繋がるものがあるかもしれないのはさておき、中国のインターネット環境が過度の検閲で自由ではないことを痛烈に皮肉っている中国地図のアートである。中国側はこうした検閲に対する批判については、「内政干渉」とか「市民を有害なサイトから遠ざける」などと正当化しているのだが…
NHKの海外放送で放映された、日中歴史共同研究に関する報道も1989年6月4日の出来事の部分で突然遮断されたとか。情報統制への力の入れようがわかるが、細かく見ているというか力の入れどころが違うだろうと言いたくなった。時事通信の配信から。
日中歴史研究のNHK放送中断=天安門事件映像、視聴制限か-中国
【北京時事】中国で31日、日中両国の歴史共同研究報告書について報じていたNHK海外テレビ放送のニュース番組中、数秒間画面が真っ黒になり視聴できなくなった。
報告書のニュースは中国国営ラジオも報道した。NHKニュースのうち、報告書に盛り込まれなかった1989年の天安門事件について、中国国内で映像を見せないよう、中国当局が視聴を制限したとみられる。(2010/01/31-21:21)
(かつて書いた関連記事)
接続できないウェブサイトにつなげよう
アクセスできないウェブサイト
書き込み制限
アクセスできないウェブサイト その後
Wikipediaに接続できない
Seesaaブログに接続できない
インターネットの敵
続・インターネットの敵
北京・東莞からはアクセス可能?
中国からココログへのアクセス制限?
中国からココログへのアクセス制限?-その後-
中国西南部-久々に中国のインターネット環境が気になった-
Yahoo!JAPANに接続できない?
インターネット統制の転換?
中国から見られない動画サイトと、見られない中国の動画サイト
中国、パソコンに検閲ソフト義務付け
Great Firewallに穴は開くか?~中国のインターネット~
(追記)書いた後で気がつきましたが、今日は元号と中国語の曜日の読み方を混ぜて使うと「平成22年2月2日星期二」ですね。
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Comments
私はつながるNowというVPNサービスを使ってる。自分の自宅接続環境:上海電信2M ADSL
ではなかなか良かった。試してから購入することも可能なので検討してもよいかも。
www.tngrnow.net
Posted by: 山本 | 2012年7月6日星期五 at 上午11:23
山本さん、こんにちは。
情報ありがとうございます。Great Wall対策にはやはり需要があって、サービスを提供する人がいるのですね。
今は日本にいるので普通にインターネットにアクセスできていますが、将来またwallの中に入るようなことがあれば考えてみたいと思います。
Posted by: はぎお@貴ノ浪世代 | 2012年7月6日星期五 at 下午10:21