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2010年11月7日星期日

鳥羽商船高専練習船・鳥羽丸

 名古屋港で鳥羽商船高等専門学校の練習船・鳥羽丸の一般公開があるとのことで、日本丸や海王丸など航海訓練所の練習船はよく一般公開があるが学校の練習船を見ることはあまりないので、この機会に足を延ばして鳥羽丸を見に行ってきた。

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 この日は日本丸も名古屋港に寄港していたが、鳥羽丸はそこから橋を渡った水族館南側の岸壁に停泊していた。
 手前には芝生の緑地があり、シートを広げて持ってきたお弁当を食べている人達もいた。





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 前後から見た鳥羽丸。
 全長は40mとのことで、一昨年高松で見た青雲丸や横浜で見た大成丸がそれぞれ全長120m前後であるのに比べると随分と小さい。船内の展示で知ったのだが、この船は4年生までの実習で主に使われるとかで、伊勢湾や愛知・静岡沖を日帰りや短期の航海で航行するのに使われるとのことで、青雲丸や大成丸のように長期の航海を前提とした船とは同じ練習船でも仕様が異なるということである。

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 船首と船橋。








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 船橋内の様子。一昨年見た青雲丸のように実習用の操船装置が別にあるわけではなく、このフロアのみで実習を進めるようである。






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 すぐ後ろには無線設備と、機関室に指令を出す設備が置かれている。海図もここで広げる。
 この後向かった甲板下にある教室では、中学生向けの学校案内や「海を仕事にする」ことを誘う日本船主協会のパンフレットを配っていた。パンフレットを配布していた教授が仰るには、「私も他の大学と大学院を出てここの教員になったのでそれまでは高専のことをよく知らなかったが、こういう進路があることをもっと広く知って欲しい」との話であった。私が中学生の頃を振り返ってみると、工業高専を受験した同学もいたがだいたいは進路は高校の中から選ぶという感じだった。高専は数が少なく、寮に住むことになるかもしれず選択に際してこの点を考慮する必要があり敷居が高くなるのかもしれないが、高専の存在を踏まえて進路選択ができればいいのでは、と思う。もっとも、それが充分ではないから高専の側から練習船見学を通じて存在をアピールしたり、あるいは体験入学があったりするのだろうが…船外には鈴鹿工業高専の入学案内も置いてあった。
 私は将来中国語や中国事情を学ぶ機会があればと当時は思っていたので工業高専は進路の選択肢としては考えなかったが、社会人になってから富山商船高専に国際流通学科ができ(今の富山高専国際ビジネス学科)ここで中国語なり東アジア事情を学ぶことができるので、中学生の頃にこんな学校があったら進路の選択肢に入れていただろう。もっとも、遠隔地への進学は難しかっただろうが…
 鳥羽商船高専には商船学科のほか電子機械工学科と制御情報工学科もあり、教室では制御情報工学科の学生による研究成果の展示もあった。「AEDの位置情報の伝達について」だったか、一見難しそうに見えたが、要は駅などにある「あの」AED…電気ショックでの蘇生を試みる装置…が最寄りのどこにあるか携帯電話で知らせる仕組みに関する研究のようだ。「AED」が「あの」AEDであることに咄嗟に思いが至らず変な質問をしてしまったが、研究に一所懸命と思われるのが窺えて良い学生生活をしているのだろうと見えた。
 船外ではやはり学生による、訪問した人が船員の制服を着て写真を撮ることができるイベントをやっていた。このイベントや学生の研究成果の発表を見ると、大学の文化祭のようにも見える。学生とは言いながら高校生と同じ年頃の人も多く、微笑ましくもある。
 学生による手作りの部分と、それを支える教員の方々の姿が見え、航海訓練所や官公庁の船舶の一般公開とは違った雰囲気が感じられ、年甲斐もなく文化祭の展示を見てきたような気分になった。学校説明会と文化祭を少しずつ切り取ってきて学校紹介をするような一般公開であった。

鳥羽商船高等専門学校ウェブサイト
鳥羽丸のページ

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Comments

 名古屋港の芝生エリア、何度か行ったことがあります。
 鳥羽商船高専の練習船は観たことが無いので、はぎおさんのレポートを興味深く拝見しました。

 商船高専は結構厳しい状況にあります。商船系は修業期限が5年半と工業高専とは異なり、さらに日本の海運業界の状況と相まって、「商船高専」と称しても定員の半分以上は工業系となってしまいました。
 また国立高専は定数削減・独立行政法人の効率化の名の下に同一県にある高専が合併する傾向にあります(富山高専と富山商船高専など)。
 鈴鹿高専のパンフレットがあったのは、そんな事情もあります。

 臨教審の答申を経て、高専の学科に工業・商船の縛りが無くなり、いわゆる文系学科が出来たのが90年代の話。その後、専攻科もできて、高専をとりまく環境も随分変わりました。

Posted by: ひらしょう | 2010年11月8日星期一 at 下午9:00

ひらしょうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。商船高専でも過半数が工業系なのは聞いていましたが、その工業系の学生が練習船で研究成果を紹介しているところがそうかと思わせるところでした。練習船の一般公開も商船系の学科だけのイベントではないことを感じました。
鈴鹿高専のパンフレットがあった事情は考えさせられますね。他の商船高専も県内に工業高専があるので、次第に商船系は統合の流れになるのでしょうか。大学は東京商船も神戸商船も統合されましたが…
商船高専の商船系学科の5年半のうち、最後の1年は航海訓練所の練習船に乗りっぱなしとか。厳しいと感じる人もいるでしょう。

Posted by: はぎお@貴ノ浪世代 | 2010年11月8日星期一 at 下午11:09

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