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2010年12月13日星期一

『初めて台湾語をパソコンに喋らせた男』

 台湾語学習ソフトウェア作りに心身を捧げる、ある台湾人のことを記したノンフィクションである。というよりは、台湾にも地縁があり日本で台湾映画に携わっている筆者と彼との交流を通じて、現代台湾の姿を見ることができる書である。さらには、アロンというこの台湾人との交流や彼の足跡を書くことに名を借りて筆者が台湾との関わりを振り返った一冊、ともいえ、種々の様相を呈している本である。
 台湾の多くの人が母語とする台湾語は、発音を表すきまりが統一されていないなど体系的に学ぶのが難しくなっている。そんな台湾語を、台湾の子ども達が親しみながら学べるようにと長い年月を掛けてアロンがソフトウェア開発に取り組んでいる姿が、筆者との交流と共に紹介されている。話の節々に出てくる、台湾語が台湾国語≒中国語と比して置かれた環境、本省人から見た台湾、更には日本統治期のことはある程度知られているし予備知識もあるので、エピソードを興味を持って読むことができる。それに加えて、台湾映画に台湾語が認められていった過程や、侯孝賢の『非情城市』をはじめとした日本で評価の高い映画に対する別の見方など、この本から新しく知ることも多い。台湾事情もプログラミングもそれだけ見ると身構えてしまうかもしれないが、話に入っていきやすくまたその中で現代台湾の諸相を見ることができる一冊である。

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