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九月 2014

2014年9月26日星期五

サッカージブラルタル代表・EURO2016予選ポーランド戦観戦記(2)

 前回の続き。EURO2016予選ジブラルタルv.s.ポーランドの試合当日、9月7日にリスボンからファーロへバスで移動し、ファーロの駅前に宿をとっていたのでチェックイン。試合会場ののエスタディオ・アルガルヴェへは行きは列車で1駅の後歩いて10分程で行けるのだが、帰りは列車の運行が終わっているのでタクシーを拾って帰るしかない。観客を見込んだタクシーがいるのかどうかもわからないので、ホテルにタクシーの電話番号を教えてもらって会場に向かった。
 UEFAのウェブサイトには20:45試合開始と書いてあったが、前日にジブラルタル協会のサイトを見てみたら19:45開始と。UEFAのウェブサイトの記載が欧州中央時間であることに気付いた。気が付いてよかった。
 ファーロ駅から列車に乗ろうとしたら、大声で歌ったり叫んだりしながら列車に乗る一団がいた。掲げているタオルマフラーからポーランドのサポーターとわかったが、気勢を上げるために酒を飲んでからスタジアムに向かうようで酒の匂いを撒きながら歩いており、上半身裸の人もいる。列車の中でも歌っていてやかましかったので、別の車輛に乗って隣駅に向かった。

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 隣のParque Das Cidades駅。エスタディオ・アルガルヴェの最寄駅であることが示されている。
 ここからスタジアムまでは10分程、道からスタジアムが見えるので迷うことはない。あのポーランドサポーターも、大声を上げながらスタジアムへの道を歩いていた。
 その中の体格の良い上半身裸の1人に声を掛けられ、絡まれるのかと思ってちょっと身構えたが普通にどこから来たのか、お前も試合を観るのかなどどいう話だった。そのポーランドサポーターはオランダで働いているとかで、ポーランド人に少なからずいる出稼ぎの1人なのだろうか。地元のクラブを応援しているがオランダでは試合が見れない、とも言っていた。国を離れて働きながらEUROの予選に駆けつける、熱心なサポーターである。

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 エスタディオ・アルガルヴェに到着。ジブラルタル・ポーランドどちらも応援するには遠路はるばるというところだがかなりの数の人が観戦に来ていて、とりわけポーランドサポーターがかなり来ていたのがまず意外だった。
 チケット売り場は少し離れたコンテナにあるのだが窓口が1つしかなく、試合開始1時間前に着いたのだがチケットを買うまでに30分かかった。チケットは20ユーロ、「ポーランド?ミックスゾーン?」と聞かれたので、「ミックスゾーン」と答えてチケットを購入。チケット売り場に並んでいるのも、事前にチケットを手に入れていないポーランドサポーターが多い。

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 スタジアムの正面。ジブラルタルとポーランド、その間には開催国ポルトガルの旗が並ぶ。

 スタジアムに入ろうとしたら、カメラは持込禁止だとか。預かってももらえないとかで困ったが、やむなくリスク覚悟で人目につかない場所にカメラを置いて中に入った。おかげて選手入場は見ることができず、国歌斉唱はスタジアムに入る直前に聞いた。

 メインスタンドの左側にジブラルタルサポーターが集まり、右側がミックスゾーン、そしてバックスタンドがポーランドサポーターのエリアになっていた。ミックスゾーンはポーランドサポーターが多く、メインスタンドから観たい人がここを選んでいるようだ。全体に占めるポーランドサポーターの比率は高く、半分くらいはポーランドサポーター、と感じた。私の席は中央からは離れるが前のほうで、まずまず見やすい席だ。
 私の席の近くに「King of Poland Supporter」と書かれた王冠の形をした金色の帽子に白い燕尾服、そしてポーランドのカラーである赤いシャツとズボンを着たおじさんがいて、名物サポーターなのか他の観客から写真撮影をねだられていた。写真撮影、一眼カメラはだめだがスマートフォンやコンパクトデジカメで周りを撮る分にはお咎めなしなのだろうか。ピッチを鮮明な画像で撮るのがいけない、ということか。テレビで見るオリンピックの観客席にいる日本応援の名物おじさんを思い出した。
 スタジアム奥にはジブラルタルのユニフォームが描かれ、ポルトガルの地にジブラルタルのホームスタジアムを作り出している。
 試合は圧倒的にポーランドがボールを支配。ジブラルタルも耐えていたが前半11分にポーランドに先制点を奪われる。ゴールキーパーが口惜しがっていたのは防げたはずのゴールだと思ったからか、10分あまり耐えてきたがゴールを許したからか。
 この後もポーランドが攻め続けるが、ジブラルタルも必死の守りでゴールを許さない。その中でのジブラルタルの少ないチャンスにシュートが枠の中に飛ぶ場面もあり、ジブラルタルにあわやの場面も。
 結局前半は0-1で折り返す。良く守った、という評価になろう。プレーに飛ぶ声援はジブラルタル・ポーランドともに等しい大きさで聞こえたと感じた。
 後半開始早々にポーランドが2点目を決める。前半・後半ともにポーランドが良い時間に点を入れたと言え、ここからポーランドが立て続けに得点を決め、後半だけで6点を奪って結局0‐7でポーランドの圧勝。
 試合終了とともにジブラルタル・ポーランド両サポーターを始め観客がスタンディングオベーション。ジブラルタルにとっては7点差、しかも完封された試合なのだが、まずはEURO予選初参戦を祝してということか。勝ったポーランドサポーターの拍手にも、多分にその気持ちが入っていると思う。
 翌日ホテルをチェックアウトしようとすると、前にいたのはやはりポーランドサポーター。以前スペインを旅行した時にバルセロナ滞在がEURO本戦の試合と重なって全然宿が取れなかったが、ファーロのホテルもアウェイサポーターの宿泊で盛況なのだろう、ファーロ観光がジブラルタル代表の試合日と重なったら宿は予め押さえておいた方がよさそうである。
 ポーランドの国旗の小旗を車につけて走る車を何台か見かけた。ポーランドや、国を出て働いている人はそこへの長いドライブなのだろう。

 後で見た日本のサッカーキング記事によると、ジブラルタルの選手は大半がアマチュアのようだ。素人目にも、トラップの精度など個々のプレーに差を感じたし、戦術の成熟度や試合慣れという点でもポーランドに長があると感じた。
 ジブラルタル協会のfacebookに書いてある、この試合の代表選手を見ると、ジブラルタルのチームから選出された選手がやはり多く、Lincoln Red Imps FCなるチームが強豪なのだろうかこのチームからの選出が多い。
 サッカーキングの記事中では「プロは2人のみ」と書かれていてイングランドとイスラエルでプレーする選手を紹介しているが、UEFAウェブサイトのマッチレポートのラインナップを見ると先発した背番号4のDavid Artell選手はウェールズプレミアリーグのBala Town FCに属していて、クラブのウェブサイトでも「Gibraltar call-up for Artell!」と代表選出を祝している。ウェールズのプレミア所属だとプロでありそうだが、先発ではこの3人が「海外組」ということになる。他に途中出場したAdam Priestley選手がイングラントのFarsleyに所属とのことだ。

 小さなジブラルタルの代表はレベルもいまのところそれなりという評価になろうが、人口3万人ほどのジブラルタルには8チームからなる1部リーグ(Premier League)と14チームある2部リーグがあるとかで、ジブラルタルでプレーしている人は人口に比するとかなり多い、と思われる。
 代表チームの戦いはこれからも厳しい道程なのだろうが、次は予選初勝利でスタンディングオベーション、という日が来ることを願いたい。

試合のマッチレポート(日本語)(英語)
UEFAによるジブラルタルのサッカー事情の紹介(日本語)

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2014年9月21日星期日

サッカージブラルタル代表・EURO2016予選ポーランド戦観戦記(1)

 今年の休みを使ってスペインやポルトガルを旅行してきたが、その中でサッカージブラルタル代表のEURO予選参加第1戦である、ジブラルタルv.s.ポーランドの試合を観てきた。

 ジブラルタル、名前は聞くがどこにあるかと言えば地中海から大西洋への出口に当たる狭まった場所、ヨーロッパ側はスペインとアフリカ側のモロッコが近づいた海峡、まさにジブラルタル海峡に面した小さな半島である。イベリア半島にあるこの小さな半島は18世紀初頭のスペイン継承戦争の結果とユトレヒト条約によりスペイン王国からイギリスへと割譲され、以来今日までイギリスの海外領土である。スペインはこのジブラルタルの返還を望みまた主権を主張しているが、当のジブラルタル住民がイギリス傘下にあることを望み21世紀になってもなお共同統治を2002年の住民投票で否定したこともありそれは成っていない。もっとも、スペインもジブラルタルの対岸にあるセウタを領有していて、他のスペイン領とともにモロッコに対して同様の関係にあり、微妙ではある。
 そのジブラルタルには早くからサッカー協会があり、ジブラルタルのサッカー協会もサッカーリーグもイギリスにあるサッカーリーグとは別に存在している。イギリス領ということでサッカーも早くから組織的にもたらされたのだろう。
 ジブラルタルサッカー協会はUEFAへの加盟を望むもスペインとの関係もあり認められず、ジブラルタルはFIFA未加盟国による大会への参加などで国際的なサッカー活動を続けてきた。UEFAへの加盟は2007年にも否決されたがそれに対してジブラルタルサッカー協会はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴え、CASはジブラルタル協会の主張を認める裁定を下した。言わずと知れたリーガ・エスパニョーラを擁するスペインはジブラルタルの加盟に反対し続けたが、結局2013年にジブラルタルサッカー協会はUEFAに加盟することができた。

 UEFAへの加盟が成ったということは、ヨーロッパ各国・地域の代表による欧州選手権(EURO)の予選への参加が可能になったということである、UEFAのウェブサイトで調べてみるとジブラルタル代表はEURO2016の予選に参加していて、ポーランド・アイルランド・ドイツ・スコットランド・グルジアと戦うグループDに属している。イギリスのサッカーはイングランドを始め地域ごとに独立して運営されていて、その1つである(そしてイギリスからの独立が問われている)スコットランドど同組になったのは印象的である。
 そしてジブラルタルの第1戦は9月7日のポーランド戦、とのことだ。開催地を見ると「アルガルベ, ファロ=ローレ (POR)」とある。左側にジブラルタルの名前がありホームゲームの筈だがアウェーで戦わなければならないのかと思いきや、「POR」はポルトガルの意(ポーランドであれば「(POL))になる)、場所はポルトガル南部の大西洋に面した街であるファーロから程近いエスタディオ・アルガルヴェ(女子サッカーのアルガルベカップで名は聞くところ)での試合とのことだ。ジブラルタルでは基準を満たしたスタジアムがなく開催できず、スペインのスタジアムはその関係から使えずポルトガルまで行ってホームゲームをしないといけない、ということだろうか。スペインであればマラガまで車で2時間程、セビリアも近いのだがそこは使えない、ということだろうか。
 他方、ファーロはポルトガル南部を代表する街であり、国際線が飛んでくる空港もある場所であり、スペインで試合をできない限りにおいてはここをホームにせざるを得なかったのだろう。
 スタジアムがファーロの市街地から離れているのが気になったが行けば何とかなるだろうと思い、ジブラルタルのEURO参戦第1戦であるこのジブラルタル対ポーランドの試合を観に行くことにした。
 当日の様子などは、また次に

(参考)UEFAオフィシャルサイト(日本語版)EURO予選に関するサイト、及びサッカージブラルタル代表に関するサイト
ジブラルタル協会のウェブサイト(英語)

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