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2007年3月5日星期一

『中国時報』斜め読み

 西班牙旅行記は1回お休み。
 上海の少なからぬ喫茶店では、台湾の新聞を読むことができる。置いてあるのはたいてい『中国時報』か『聯合報』。今日喫茶店で最近の『中国時報』を数日分まとめ読みした中からいくつかピックアップ。
 さて、始めは今日(5日)付けのトップ、台湾の陳水扁総統が「台湾独立は必要」と言ったとされる記事であった。同様の内容を毎日インタラクティブから引用

台湾:陳総統「新たな考え」 独立「必要」、路線問題「ない」  

【台北・庄司哲也】台湾の陳水扁総統は4日、台湾独立や新憲法の必要性を訴える「四つの『必要』、一つの『ない』」と名付けた新たな考えを発表した。陳総統は00年5月の就任演説で、在任中は独立宣言や国号(国名)を変更しないなどとした「四つの『ノー』、一つの『ない』」という方針を表明したが、それに反する内容で、台湾独立を警戒する中国の反発を招きそうだ。
 陳総統が掲げた四つの「必要」は(1)台湾独立(2)台湾名での国連加盟(3)新憲法制定(4)台湾の発展。一つの「ない」は「台湾には左派、右派の路線問題は存在しない」。4日夜に行われた会合での演説の中で発表した。
 ただ発言の真意は、李登輝前総統による批判を意識したものとみられる。李前総統は台湾の週刊誌などで「台湾は統一か独立かを争う無意味な闘争をすべきではない」などと発言し、陳総統の姿勢を批判していた。

毎日新聞 2007年3月5日 東京朝刊

 この発言自体が李登輝が行った陳水扁批判への対抗とされている。『中国時報』でこの陳水扁の発言に触れた記事の下には、李登輝が『陳水扁はスローガンばかり』と述べたとされる記事が掲載されていた。
 (1)の「台湾独立」は、「台湾は既に独立状態にあり今更宣言をする必要もない」という主張に対し、敢えて独立をアピールすべき、というもの。
 (3)であるが、台湾は1949年に国民党政権が台湾に逃れてきてからも「我々こそが全中国を代表する」という建前で、国共内戦中の1947年に施行された憲法をそのまま台湾で適用していた。そのため例えば台湾の立法院や国民代表大会(日本の国会、と思ってください)は「議員を全中国から選出する」ということで江蘇省選出議員やら湖南省選出議員やらというのがいて、彼らは選挙ができないという理由で長いこと居座り「万年議員」となるなど、台湾のみの憲法としては矛盾があった。この矛盾を解決すべく、「自由地区」すなわち現在の台湾の支配圏のみで各種選挙ができるようにしたり行政制度や地方制度を定めたりといった「追加条文」を当初の憲法に追記している、というのが現在台湾で施行されている憲法の状況である。つまり、大陸を想定した『中華民国憲法』に書き足しをして運用している、ということである。こうした「大陸の憲法」から「台湾の憲法」に衣替えしよう、というのが上記の「新憲法制定」である。
 某国の首相は改憲の根拠として「憲法制定の過程」にこだわっているが、台湾では「前提」さえも異なっているのである。

 2000年に陳水扁が総統に就任したときには「4つのノー」、つまり独立を宣言しない、国号を(中華民国から台湾に)変更しない、2国論を憲法に盛り込まない、統一か独立かを問う国民投票はしない、と言っていたのだが、国民投票は前回の総統選時にやってしまった上に「4つの『必要』」に変わってしまった。
 「台湾の将来は台湾人が決める」わけであるが、こと陳水扁に関して言うと「うまくいかない時にスローガンを発する」「スローガン先行」という印象が否めない。今も夫人の裏金疑惑の只中だし、以前書いたが企業名から「中華」を外し「台湾」の文字を冠しようと言い出したところ立法院選挙で少数与党から脱することができなかったりと、うまく立ち回れていない感じがする。こういう発言は死に体でないところや窮地に立ったときでないときに発して欲しかった、という感じがする。
 その陳水扁であるが、不確実な噂をもとに政敵の宋楚瑜が中国共産党の人物と密会したと言ったとかで、裁判で敗訴して300万台湾元の損害賠償と謝罪広告の掲載を命ぜられたと別の日の『中国時報』1面に報じられていた。控訴可能とのことだが、何かとうまくいきませんな。

 もう1つ、先月2月28日は「2・28事件」60周年だった。本省人(台湾にもとからいた人)による、国民党や軍やそれらに属する外省人(大陸から来た人)に対する抗議運動とその弾圧から60年、翌3月1日の『中国時報』3面では台湾の政治学者・呉乃徳の演説全文として「我們還有一件事情沒有做到」という文章が掲載された。2・28事件以来生じた本省人と外相人の溝に代表されるように分裂する社会を、まとまりを持った社会にして行こう(つまりこうした台湾市民の融合が「一件事情還沒做到」)、という内容だと読んだ。

 台湾の新聞は芸能面にもかなりのスペースを割いている。3月4日・5日とも芸能面のトップは日本人。最近韓流が台頭していても日本の芸能ネタはやはり欠かせないようだ。4日は伊東美咲のこと(内容はよく読まなかった)、5日は宇多田光の離婚と飯島愛の芸能界引退の記事がトップだった。宇多田光の写真が掲載されていたが、非常にふくよかになっていたのが印象的であった。いつごろの写真を使ったのだろうか、あるいは写真が横に伸びていたのだろうか。

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2005年10月15日星期六

神舟6号

文字通り長かった1週間が終わり、ようやく週末である。

この間、12日に有人宇宙船「神舟6号」が打ち上げられた。同学によると、宇宙食がアワビやエビを使った豪華料理だそうだ。保存食の豪華中華料理ってどんな感じだろう。私ならウイグル料理を入れてもらいたいなぁ。価格もアワビよりは安いだろうし。

この宇宙船打ち上げ、当たり前だが上海ではでかでかと取り上げられていて、テレビニュースでは連日大気圏外での実験など宇宙飛行士の活動が取り上げられている。今日22時30分のニュースでは胡錦涛と宇宙飛行士の交信がトップニュースだった。
打ち上げの日の夕刊紙『新聞晩報』は、1面に打ち上げの瞬間と宇宙飛行士の写真、2面こそ中国共産党16期5中全会の記事であるがあとは全て神舟6号の記事である。神六=神舟6号の軌道や安全性のアピールや飛行士2人の紹介は勿論、「中国の先進性をアピールする」記事も多々見られる。
そんな中で、以前中国で打ち上げた宇宙船に野菜の種を積み、持ち帰ったあとでそれを植えたところ大きな実ができたという記事が13面にあった。記事には、「普通の種を宇宙船に積み込んで大気圏外に送ると、大気圏外特有の輻射線・真空・無重力・磁場の変化などの作用で、種の性質に変化をもたらし優良な品種が生まれた」とあるが、本当かな?記事の中では「太空辣椒(宇宙トウガラシ)」・「太空番茄(宇宙トマト)」・「太空彩綿(宇宙綿花)」が写真入りで紹介されているが、例えば「太空番茄」の紹介はこうである。

特徴:早熟、多産、風味良し、保存・運送に優れ、狭いところでも植えることができ、耐寒性に優れ、カロチンが普通のトマトの3倍、ニンジンの10倍である。1ムー当たり6,000キロの生産が可能である。栄養値がとても高く、美容・ダイエットに効果がある。(以下略)

「太空トウガラシ」に至っては「大きさは普通のトウガラシの3〜4倍」だそうである。説明はさておき、大味なイメージだ。
しかし、本当に宇宙に持って行っただけで変異を起こすのであれば、優れた品種が生まれる可能性がある一方、品質の良くない品種も生まれる可能性があるわけである。人為的な突然変異も両刃の剣といえよう。
本当に宇宙に数日持って行っただけで変わるものなのだろうか、詳しい方に教えていただきたいものだ。

もし安全なら、宇宙飛行士の宇宙食もこの「太空辣椒」「太空番茄」を使うと面白いのでは?

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2005年6月13日星期一

皇族の肖像を商標登録?

出所はこちら。世界日報のウェブサイトより。

<引用ここから>
天皇の肖像を商標登録申請−北京
中国人酒業家が提出、当局受理

13億円で日本企業に売却検討

 【香港5日深川耕治】4日付の中国紙「新京報」によると、北京で酒造販売業を営む中国人経営者が中国国家商工総局に昭和天皇、天皇陛下、皇太子さまに酷似した顔写真をグラフィック合成したデザインを靴類販売で使用する目的で商標登録申請し、当局が許可すれば日本企業に13億円で売却するか国内で使用することを検討中として物議を醸している。

 同経営者は1月24日に当局に登録申請を提出、すでに申請受理の通知書を受け取っており、認可待ちの状態という。

 商標登録申請したデザインは昭和天皇の肖像に酷似した顔を頂点に左下に天皇陛下、右下に皇太子さまの肖像に酷似したトライアングル構造のグラフィック合成デザインとなっている。登録が認可されれば、靴類のみでの商標使用が可能という。

 登録申請した中国人経営者は「すでに日本の関係機関が商標を買い取りたいと打診して来ている。自社ブランドの酒の五年間の営業販売権と靴類のみで使用できる商標という条件で13億円での売却が条件」としており、売却が困難な場合は国内企業への売却も検討するとしている。

 同商標登録申請について、北京の商工当局関係者は「外国要人の肖像権侵害の疑いがあり、商標には不適切。外交問題を引き起こしかねない」と懸念。四月に起きた中国各地の反日デモに続き、一般の中国人から沸き起こる恣意的な反日行動は皇室の肖像権問題にまでエスカレートしそうだ。
<引用終わり>

中国のニュースは何が本当かわからないのだが、もしこれが本当だとしたら皇族の肖像をを商標登録しようなどとは実にけしからん。商売とは関係なく、悪意を持って申請したか(靴底に書いて踏みつけようという気か)和解金目当てで登録したのが見え見えである。
以前にも中国でりんごに「青森」と商標登録しようとしたということを聞いたことがあるが(結局通ったのだろうか)、どうも喧嘩を売っているとしか思えないやり方である。
まぁ当局が「肖像権侵害の疑いがあり、商標には不適切」といっているとかで当たり前の対応がなされるのだと思うが・・・何かあったら「これは日本の皇族ではない」と言って開き直るのだろうな。
このニュース、他の新聞では見たことがないような気がするのだが、見逃していたのだろうか。あるいは慮ったかガセネタだと思ったかで載せなかったのか。yahoo!のニュース検索で「中国 商標」で検索しても引っかからなかった。

他にも日本製プリンター インク海賊版横行 中国で数百億円の被害Sankei Web)や「CD・DVDは模倣品でも構わない」――中国ネットユーザーの5割IT media News)など、中国における知的所有権の意識の低さに関する記事が目に付く。
翻って身の回りを見ると、道端やコンビニエンスストアの前で(店そのものではない)板の上にDVDを並べて売っているのを目にするが、とても怪しい。
私自身は日本のDVDやCDはamazon.co.jpから輸入している。もっとも、当地で海賊版など出なさそうなアーティストの曲を聴いたりDVDを見たりすることが多いのだが・・・やはり海賊版は安くても買ってはダメだ。
DVDについては、さすがに作品の価格並みではないが輸入するときに結構馬鹿にならない関税を取られる。どうやって課税標準や税率を決めているのか、知りたいものだ。機会があったら調べてみたい。
海賊版や知的所有権対策、WTOに加盟したからにはしっかりやってもらいたいものだ。

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2005年5月20日星期五

これって本当?〜中国初ボクシング世界王者誕生?〜

中国情報局 サーチナから提供されているニュース。元情報はこちら

<引用はじめ>
中国初!プロボクシング世界チャンピオンが誕生
発信:2005/05/19(木) 19:24:30
  広東(カントン)省・広州(こうしゅう)市内の天河体育センターで17日、WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチの7回戦が行われ、PABAスーパーフェザー級王者で、96年アトランタ五輪の銅メダリストのポンシット・ウィエンウィセット(タイ)と、中国の徐叢良(写真左)が対戦。徐が6R、ドクターストップによってTKO勝ちし、プロボクサーとして中国で初のチャンピオン誕生となった。

  徐叢良は雲南(うんなん)省出身の27歳。プロとしてこれまで3戦を戦い、全勝している。中国新聞社が伝えた。(編集担当:恩田有紀)
<引用終わり>

 WBA(World Boxing Association)は実在するボクシング統括団体であるし、WBC・IBFなどとともに権威のある団体とされている(日本のボクシング界ではIBFは認められていないが)。文中に出てくるPABA(Pan Asian Boxing Association)というのは、WBAの下部組織とされ、アジアにおけるボクシング統括団体の1つである。
 この記事、まず疑問に思ったのは、「WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチの7回戦」というところである。普通ボクシングの世界タイトルマッチって、12回戦(12ラウンド戦う)ではなかったっけ?
 さらに、戦ったボンシット・徐の両選手とも記事の肩書きはWBAの正規王者ではないのに、何で勝ったほうがチャンピオンになっているんだ?王者決定戦?
 WBAのウェブサイトを見ると、スーパーフェザー級の王者はタイのYODSANAN NANTHACHAI選手(5月19日現在)。3月のランキングが載っているのでダウンロードすると、確かにスーパーフェザー級10位に"PONGSITH WIANWISET"の名前があり、おそらくこの選手のことだろう。だが、徐選手らしい人は、前後の階級も含めて見つけることができなかった。
 目を転じてPABAのウェブサイト(音がするので注意)を見ると、

<引用はじめ>
May 17
Site China
Contender
Light Heavyweight Paul Murdoch vs. Juarne Dowling
Super Middleweight Peter Kariuki vs. Sakeasi Dakua
Super Featherweight Pongsith Wiangwiset vs. Xu Chong Liang
Super Bantamweight) Pedrito Laurente vs Xi Mu Xiang
<引用終わり>

と記載があり、Xu Chong Liang=徐叢良だからこの2人はどうやら戦ったようだ。PABAの2005年4月のランキング(アジアランキング、とご理解いただきたい)ではボンシット選手がスーパーフェザー級王者・徐選手が10位にランキングされている。この2人がタイトル戦をしたというのか。しかし、どう見ても世界戦とは言えまい。タイトルを賭けていたとしても「東洋タイトル(*)」くらいが妥当な呼び方だろうが、しかも7回戦とはどういうことだ。
 どなたか詳しい方、教えていただけませんか?

 ちなみに1993年に中国を旅行したとき、「中国で久しぶりに行われたプロボクシングの試合」をホテルのテレビで見た記憶がある。確かWBOのタイトルマッチも含めて数試合だったと思う。中国の選手はおらず皆欧米の選手だったと思うが、中にリングに上がる際に「北京」と書かれた鉢巻をした選手がいたりして少し違和感があったのを覚えている。
 中国では民国期に上海租界等でボクシングが行われ、「上海王者」を名乗った日本人?がいたと聞くが、こうしたことをすぐに調べられないのが日本を離れているもどかしさである・・・おっ、某所での研究ネタになりそうか?

 ボクシングに興味のない方にはよくわからないネタだったと思うが、ご容赦いただきたい。
(*)日本で言う「東洋太平洋王者」はWBC傘下のアジア統括団体であるOPBFの王者であり、日本はPABAの試合を認めていません。

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